両 刃 の 剣

ヨハネ黙示録 2:12-17

 きょうはペルガモにある教会に宛てて書かれた手紙を読みます。エペソを四五十キロ北上するとスミルナがあり、そこを更に四五十キロ北にのぼるとペルガモがあります。この三つの町は、地中海に面し、いずれ劣らぬ重要な都市であったようです。もっともペルガモは、他の二つのような港湾都市ではなく内陸に二十キロあまり入った丘陵地にあり、そこから地中海を望見できる位置にありました。古都として栄え、当時も、文化と宗教のその地域における中心地でありました。有名なアレキサンドリアの図書館と競合する大図書館を有し、20万巻に及ぶ羊皮紙の巻物を蔵していました。羊皮紙は英語でパーチメントと言います。それは、ペルガモという地名からきたことばだと言われます。
 この時代の都市を語るには、想像をはるかに越えるローマ帝国の巨大な力を考えに入れなければなりません。ローマは、空前絶後の大帝国を地中海世界に築きあげていたのです。十八世紀英国の歴史家ギボンは、有名な「ローマ帝国衰亡史」の中で、ローマ帝国の繁栄期として紀元96年から180年までを上げ、<かりにもし世界史にあって、最も人類が幸福であり、繁栄した時期はいつか、という選定を求められるならば、おそらくなんの躊躇もなく、ドミティアーヌス帝の死からコンモドゥス帝の即位までに至るこの一時期を挙げるのではなかろうか。>と書いています。古都ペルガモも、そう いった時代に、ローマ帝国の一都市として栄え、ローマ統合のあかしとして皇帝礼拝を率先垂範していたのです。
 しかし、ギボンの「最も人類が幸福であり、云々」はもちろん一面的な見方です。福音書はこれよりも少し前の時代を背景としていますが、そこで は、イエスさまの誕生物語に端的に見られるように、ローマ帝国の支配と民衆の困窮とが対照的に描き出されています。
 世界は、今日、急速に小さくなりつつあります。東京も単に「極東」に位置する日本の一都市ではなくて、世界の中の都市です。世界の大小のあらゆる都市が、地球的ネットワークから外れて存在することはもはやできませ ん。世界は、国境や民族の壁を越えて、一つになる方向へ向かっています。道はローマに通ずると言われた時代には、ローマ皇帝が統合の中心でした。いま、地球時代に生きるわたしたちは、なにをもって共生のしるしとしたらよいのでしょうか。ここが、最大の問題です。
 ペルガモの教会への手紙は、「鋭い両刃の剣を持っている方が、次のように言われる」と言うことばで始まります。旧約聖書の民数記に、誤った方向へ進もうとするバラムの前に主の使いが手に抜き身の剣を持って立ちふさ がったという物語があります。鋭い両刃の剣を持っているお方すなわちイエス・キリストは、ペルガモの教会が、そして現代のわたしたちが、誤った方向へと進んで行く事がないよう、道を示しておられるのです。
 <勝利を得る者には、隠されているマナを与えよう。また、白い石を与えよう。この石には、これを受ける者のほかはだれも知らない新しい名が書いてある。> 隠されているマナ、新しい名、それはイエス・キリストです。教会がいただく白い石が何であるのか少し謎です。しかし、そこに新しい 名、イエス・キリストの名が記されている。教会は、あらゆる誘惑や脅威をはねのけて、この「名を堅く持ちつづけ」て行くのです。
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