新 し い 歌

ヨハネ黙示録 5:1-14

   ヨハネがパトモス島で黙示録を書いたのは、皇帝礼拝を強要しキリスト教を弾圧したことで有名なドミティアヌス帝の時代の紀元95年か96年であろうと言われています。かつてパウロによって建てられた小アジアの諸教会で教師をしていたのであろうか、ヨハネはその信仰の故に捕らえられ、パトモス島に幽閉されたのです。パトモス島は、現在のトルコ西岸のミレトスから西南西約60キロほどのところにあり、南北16キロ、北端の最も幅の広いところが10キロ足らずの小さな島です。ローマは、政治犯などの流刑地としてこの島を使っていました。

 ヨハネは、岩だらけのこの火山島のどこかで、岩に砕ける波の音を聞きながら、大空を仰いで、日々を送ったのではないかと想像します。(昼間は、重労働を課せられていたかも知れない。)夜空を眺めていると、心の中に豊かに蓄えられた聖書のことば、創世記や、出エジプト記、イザヤ書、エゼキエル書、ゼカリヤ書などのことばが、最近のパウロの書簡や福音のことばによって新しい意味づけをされ、壮大なドラマとなって天の大ドームに立ち現れてきたのではないでしょうか。

 きょうのところで彼が天に見たのは、七つの封印で封じられた巻物のビ ジョンです。彼は、その巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当たらないので、激しく泣きます。聖書の神秘と歴史の秘密とを解明し、人々に示し得る者はだれか。この時代は、どうなるのか。我々の運命は、どのようなものなのか。そのことを明確に告げ得る者は、一人もいない。ヨハネは、孤独の中で絶望し泣いたのです。その時、「泣くな。見よ、・・・」と呼びかける声を聞きます。その声は、イエス・キリストこそ、その巻物を開き七つの封印を解くことができるお方である、と告げます。

 そして彼は、天に響く新しい歌の声を聞いたのです。

 <あなたこそは、その巻物を受けとり、封印を解くにふさわしいかたであります。あなたはほふられ、その血によって、神のために、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から人々をあがない、わたしたちの神のために、彼らを御国の民とし、祭司となさいました。彼らは地上を支配するに至るでしょう。>

 教会の主にある兄弟たちとの交わりから切り離され、この世からも隔離されて、ひとり遠くの島に流されたパトモスのヨハネは、天上に鳴り響くこの歌を聞いたのです。歴史の秘密を開示し、生きる意味を明らかにして下さるお方がおられる。それは、十字架の上で死なれ、よみがえられたイエス・キリストである。そしてヨハネがそこで見たものは、一言で言えばまさに「新しい人類共同体」のビジョンだったのです。ローマの軍事的、経済的支配によってもたらされる統合ではない。あるいは、ユダヤ人の民族主義による統一ではない。新しい歌は、キリストの血によってあがなわれた、あらゆる部族、国語、民族、国民の中からの人々、によって形成される共同体がここにあると歌います。教会は神の国の民となり祭司となって、地上を支配する。そこに神の約束があり教会の使命があることが示されているのです。

 ヨハネは、もはや決してひとりぽっちではありません。彼は、「天と地、地の下と海の中にあるすべての造られたもの、そして、それらの中にあるすべてのもの」が、神を賛美し、イエス・キリストをほめたたえる声を聞いたのです。





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