王 の 王 、 主 の 主

ヨハネ黙示録 19:11-21

−「愛国心」は鳥に食わせよ−

サッカーの2002年ワールドカップは、日本と韓国の共同開催ということで一応決着したようですけれども、それにしてもたかがサッカーの開催権をめぐっての両国の大騒ぎぶりは何なのでしょうか。どちらか一国の開催に決定したとしたら、どうなったでしょうか。開催権を得た方の国は、相手のことなど考える余裕もなく、勝った勝ったと、ばか騒ぎを演じたに違いありません。一国開催が実現しなかったということで「W杯祝賀行事を中止・縮小」「看板にも覆い」などという記事を見て、そのあまりにも露骨な情念の吐露に、何とも言えない悲しさと恐ろしさを覚えます。

 今度のこと一つを見ても、「愛国心」や「民族主義」に火をつけるのは、いともたやすいことだということが分かります。人は、国家や民族がからむと、たちまち興奮し熱狂するのです。政治家たちは、この不条理な情念を巧みに操作することによって、時代を築き、時代を滅ぼすのです。ヒトラー は、その最たる例です。  ヨハネ黙示録が問題にしているのは、まさに、そのような「愛国心」であり「民族主義」です。パトモス島のヨハネは、イエスが白い馬に乗って来られるのを見ます。また、天の軍勢が、彼と共にやって来るのを見ます。イエスの口から、「諸国民を打つために、鋭いつるぎが出ていた」とあります。イエスは、「神のことば」によって、諸民族をさばかれるのです。彼は、また、「鉄のつえを持って諸国民を治め、・・・」、とも言われています。イエスこそは、「王の王、主の主」です。この世の帝国(国家)や王や支配者を拝んではならない。イエス・キリストのみを王とし、主としてあがめるのです。

 17節以下には、一見、恐ろしい情景が描かれています。ひとりの御使が中空を飛んでいる肉食の鳥たちを呼び集め、王たちの肉、将軍たちの肉、勇者の肉、馬の肉、馬に乗っている者の肉、また、すべての自由人と奴隷の 肉、小さき者と大いなる者との肉を食らえ、と命じます。馬の肉と並べて上げられているこれらの人々は、まことの神を神とせず、イエス・キリストこそただひとりのまことの王、まことの主であることを知らない人々です。この世の価値観に生きる者たちです。この世の帝国や王たちにひれ伏す者たちです。彼らの肉は鳥に食われてしまえ、と御使が大きな声て叫んでいるのです。

 19節以下には、なおもしぶとくイエスと教会に歯向かう地上の権力が、生きながらにして硫黄の燃える火の池に投げこまれたり、殺されたり鳥に食われてしまったりしている様子が描き出されています。

 神を恐れない者たちの末路がいかに悲惨なものであるかを、ヨハネは、実にリアルに描き出しているのではないでしょうか。国家であれ、民族であ れ、それを第一の価値とする生き方は、決して人間に平和や幸せをもたらさないのです。現代の歴史が、このことを雄弁に物語っています。「国を愛してどこが悪い」といった題の本があったと思います。しかし、まことの王の王、主の主を告白することなくこのようなことばが語られる時ほど、警戒を要する時はないのです。「愛国心」や「民族主義」は、鳥に食わせろ。パトモス島のヨハネは、そう叫ぶ御使の声を聞いているのです。





IPCC Office

Chair - Masaharu Asayama

(Pastor,Kunitachi-Nozomi Cumberland Presbyterian Church)

3-15-9 Higashi,Kunitachi-shi,Tokyo,Japan 186

TEL +81(0)425-72-7616  FAX +81(0)425-75-5049

E-mail : ipcc@po.eis.or.jp